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着ぐるみ作りの素材として、昔はどのようなものが使われていたのだろうか。 「着る」「ぐるむ」が着ぐるみと定義されるなら、歌舞伎の馬や猪などは立派なかぶりもの すなわち、 着ぐるみだと思われる。 おそらく素朴な素材で、高い技術力と長年の経験や勘をたよりに作られてきたはずだ。 まず考えられるのが、木、竹、紙、胡粉(貝殻の粉)、にかわetcなどではなかっただろうか。 着ぐるみのルーツを尋ねていまの素材とこれから先の素材について考えてみたい。 (木の素材) 上の写真は愛知県地方の神社に伝わる鬼と、右はセブ島の祭事用マスクである。 自分以外の「あるもの」になってメッセージを発する点はどちらもかわりがない。 また狂言などに使用される面も木彫によるものである。 (竹と和紙) 着ぐるみとはいささか違うが、青森のねぶた祭りに使われる、「ねぶた」は竹と和紙の芸術品といえる。 似たようなものがないかと探してみたところ、「木馬座アワー」に使用されていた初期の 「ケロヨン」は竹(竹ひご)成型に紙とゴムとボアであることがわかった。 いま見ても、じつによくできた造形力には感心させられる。 たとえば竹を90度にまげる方法など、いまでは考えも付かない。 余談ながら、ケロヨンの中に入っていた三枡さんとご縁あって数年おつきあいさせていただいたが、目線のことをよく話しておられたのを記憶している。 「自分の目でみるのじゃなく、着ぐるみの目線になって演じる」というような内容だったと思う。 かって木馬座を主宰されていた藤城清冶さんの影絵でも目に相当な力があるのを見ても よく分かる。 (胡粉、漆塗り、金箔) 趣味の世界で能面打ちが静かなブームのようだが仕上げ材として使用されるのが、胡粉、 漆だ。あえて自然の木目を生かすため面打ちが終了した段階で完成。と、なる場合もあるようだ。 胡粉というのは、貝殻を粉にしたものでいまでは日本画の顔料として使われている。 純白なものから、やや黄みがかかったものまで価格、種類によっていろいろあるがこれを マスクの表面処理に使っていた。 初期の着ぐるみにも(いわゆる狭義な意味で・・)胡粉は使用されていた。 鳥のくちばしや、光らせたい目、マスク前面がそのような仕様になっているものなど。 材質は固く、研磨作業のタイミングと硬化時間のタイミングを少しでも間違うと、とてつも ない苦労をしいられる素材。 ただ自然素材、しかも堅牢なので、製作後25年間にわたって硬化しつづけるといわれる 優れものだ。 たぶん、すでにこの素材やニカワを自在に使いこなせる職人はもういないものと思われる。 (つづく)